ISUZU エルフ NMR85 エンジン不調 白煙

ISUZU エルフ NMR85 エンジン不調 白煙
修理のご依頼を頂いたエンジンコンピューター

整備工場よりご依頼頂いたエルフです。

 

エンジン不調で始動時に大量の白煙が出るとのこと。

 

ダイアグが P0192 コモンレール圧センサー低入力

 

が入り、レール圧センサーの電圧も0.2Vの表示。

 

所有会社の整備部でレール圧センサーを新品に交換したが症状は改善せず・・・

 

その後大型車専門の整備工場へ入庫し、診断の結果ECUの異常であろうと、修理のご依頼を頂きました。

ISUZU エルフ NMR85 エンジン不調 白煙
コーキングでしっかり密閉されているコンピューターを分解します

早速開けて、見ていきます。

 

コモンレール圧力センサーの回路に大きな異常は見られませんが・・・

ISUZU エルフ NMR85 エンジン不調 白煙
内部には多数の半田クラックが確認出来ます

鉛フリー半田の宿命でしょうか

 

半田クラックがかなりの数見受けられます。

 

画像は代表的な場所のコーティングを除去したところ

ISUZU エルフ NMR85 エンジン不調 白煙
当初から施されていたコーティングを除去しました

コーティング除去した後のECUです。

 

クラックは全域にわたり確認出来ました。

ISUZU エルフ NMR85 エンジン不調 白煙
顕微鏡で拡大したマイコンの端子部 結構細かいです

メインマイコンの脚は針の先端と比較してもこのサイズ・・・

 

半田の信頼製が低いのでこちらも全て修正が必要です。

ISUZU エルフ NMR85 エンジン不調 白煙
半田のクラックを修正していきます

画像左側が半田修正後にフラックスを洗浄した状態

 

画像右側がその後再度コーティングを施した状態です

ISUZU エルフ NMR85 エンジン不調 白煙
全体の修正が完了しました 見た目ではわからないですね

全体の半田修正が完了しました。

 

修正箇所は976端子も有りました。

 

全て手作業で修正しています。

ISUZU エルフ NMR85 エンジン不調 白煙
拡大してみると こんな感じになっています コーティング済

マイコン部も修正後にコーティング

 

端子間も綺麗にコーティング出来ています。

ISUZU エルフ NMR85 エンジン不調 白煙
きれいにコーティングが出来ています

綺麗に仕上がりました。

 

これにて完成です。

 

整備工場様へ納品して、実車試験をして頂きます。

 

 

が・・・

 

ここからが、このお車は永かった・・・

 

実は、実車試験をして頂いたところ、全く症状に改善が見られず

 

コモンレール圧センサーの値も0.2Vのままとのこと。

 

ECUがまだ異常なのかと再修理でお預かりすることに・・・

 

症状を確認しやすいようにと、車両ごとお持ち込み頂きました。

 

来る日も来る日も点検とテストを繰り返します・・・

 

が、しかし・・・

 

やっぱりECUは正常な様子・・・

 

車両の配線にも異常は見られず、センサーも新品・・・

 

機械的に圧力が出ていないのか?・・・いやっ、出ていなくても

 

こんなに電圧が低いことはあり得ない。

 

んーーーーーーーーーーー。

 

どうしてもセンサーの異常という結論に達してしまいます。

 

経過を先方へご報告させて頂き、センサーの再交換の許可を頂きました。

 

新しいセンサーが届き、取り付けてみたところ・・・

 

無事に完治、始動前の圧力0で1.0V。

 

やっぱりセンサーでした。

 

なぜ、交換したセンサーが壊れてしまった(いた)のかは謎ですが、

 

ECUの異常と重なり点検中に何かあって、気づかなかったのかもしれません。

 

でも、原因がわかって良かった×2。

 

この度はご依頼ありがとうございました。